シチューなど洋風のお料理に合うブロッコリー。
なんとなく年間を通して出回っている印象がありますが、そもそも旬のシーズンなどはあるのでしょうか。
また、国産と外国産での違いはあるのでしょうか。

ブロッコリーの原産地はどこ?
「ブロッコリーの原産地はどこですか?」と言われて、すぐにイメージがわきますか?
なんとなく「国産ではなくて外国産」としか分からない人も多いのではないでしょうか。
ブロッコリーの原産地は地中海沿岸。
「ブロッコリー」という名前の由来は、ラテン語で「突き出た」という意味のbrocchusが語源で、イタリア語で「茎」を意味するbroccoから来ていると言われています。
英語では「broccoli」と書きます。
文字の感じから「ブロッコリ」が正しいのかな、と思ってしまいますが発音を聞くとちゃんと「ブロッコリィ」と言っているように聞こえます。
日本で広がったのは割と最近
ブロッコリーはすでに古代ローマ時代から食べられていたものの、ヨーロッパに普及したのは15-16世紀ごろだそうです。
19世紀にはアメリカに伝わり、日本にも明治時代にはすでにカリフラワーとともに伝わっていたそうです。
明治時代にはもう入って来ていたんですね。文明開化の一幕でしょうか。
しかし一般に広く普及し出したのは1970年代。
わたくしたぬこがこの世に生まれる少しばかり前とは……わりあい最近のことなんですね。
ブロッコリーの旬はいつ?
基本は、年間安定。冬場は特に美味しい
ブロッコリーは年間を通して見かける気がするけれど、旬ってあるのでしょうか?
ブロッコリーは収穫時期をずらして栽培されるため、基本的には通年で安定して出回っています。
ただし、その中でも11月~3月ごろ、つまり晩秋~冬~初春までが美味しい旬の時期です。
暖冬によるブロッコリーへの影響
今年の冬(2019年末~2020年初頭)は暖冬で、寒がりのたぬこには過ごしやすいのですがブロッコリー農家さんにとっては大変なことだそうです。
ブロッコリーは生育が進みすぎると花が出てしまいます。
いつも食べているあのつぶつぶしている部分は実は「花蕾(からい)」という蕾なのですが、ここが黄色くなっていってしまうのです。
黄色くなってしまった(=蕾が開いて花が咲いてしまった)ブロッコリーも食べること自体には問題はありません。
しかしつぶつぶがしっかりした緑のもの(=蕾が閉じているもの)に比べると食感が悪く、味も苦味が出てきてしまいます。
今年の暖冬によりブロッコリーも生育が早くまた大きなものが収穫できているそう。
そういわれればスーパーでも例年より特売が目につく気がします。
消費者にとってはありがたいですが、農家さんにとっては喜んでばかりいられない事態でもあります。
なぜなら、
- 豊作=単価が安くなってしまう
- 大きく成長しすぎて規格外のものが増えてしまう
- 収穫が追い付かないと開花してしまって(黄色くなってしまって)出荷できない
- 速い成長による一時的な出荷量の増加=収穫が前倒しになっている分そのあとの収穫量が減ってしまう(安定供給のバランスが崩れる)
などの理由があるのです。
農家さんにとっては大変な冬なのですね。
ブロッコリーの食べ方についてはこちらの記事をどうぞ。
ブロッコリーの洗い方の注意点はこちらの記事をどうぞ。
ブロッコリーはアブラナ科で、キャベツの一種
ブロッコリーはキャベツの変種
ブロッコリーってなんか独特な存在で、何の種類かよくわからなくないですか?
実はキャベツの1種が品種改良されたもの。
アブラナ科アブラナ属に分類される緑黄色野菜です。
あのパリパリ食感のキャベツとモシャモシャ食感のブロッコリーが実は同じルーツだったなんて……!
ちょっと驚きですね。
なお、カリフラワーも同じくキャベツの変種です。
ブロッコリーとカリフラワーが似た者同士だということは感覚的にわかりますね。
そういえば、あの野菜も同類?
成長しすぎたり、買った後にしばらく放置しすぎると黄色い花が咲いてしまうブロッコリー。
これって、そういえば他にも似たようなことが起きる野菜があったような気がしませんか?
そう、「菜の花」です!
たぬこはよくスーパーで花蕾が開いて黄色くなった菜の花が見切り品でお安く売られるのを狙っているのですよ……。
ブロッコリーは外国の野菜、菜の花は昔から日本にもあるので「同じ」というイメージがなかなか連想されづらいかもしれませんが、どちらも「アブラナ科アブラナ属」の野菜。
食材としての産地、歴史などは異なっていても植物としては同種なのですね。
国産のブロッコリーと外国産のブロッコリー
生産量はどちらが多い?
「外国野菜」のイメージもあるブロッコリーですが、国産と外国産(輸入物)はどちらが多いのでしょうか。
2017年時点での日本におけるブロッコリーの出荷量は130200トン。
対するブロッコリーの輸入量は同じく2017年では13345トン。
(参考サイト:野菜ナビ)
国産の方が輸入よりも10倍も多いのですね。
私はてっきり輸入量の方が多いのかと思っていました……!!
興味深いのは、輸入量が右肩下がりで減っていること。
20年前の1997年にはブロッコリーの輸入量は71811トンありました。
なんと20年で80%以上も減少しているのです!
それとは逆に国産は1997年で出荷量が71300トン。2017年までに1.8倍に増えています。
主な国内生産地
ブロッコリーの国内における生産量は、北海道が1位のでシェア18%。
以下、埼玉県、愛知県、香川県、長野県とそれぞれ10%弱の数字で続きます。
※2017年時点データ、収穫量ベース。 出典は上記野菜ナビより
主な輸入先
外国からの輸入では1位がアメリカで圧倒的に多く、割合にして84%。
続いてメキシコ(7%)、中国(6%)、オーストラリア(3%)と続きます。
※データは2018年 同野菜ナビより